2016年10月12日水曜日

HoI4: フランス AAR 第5章 人類連合

委員会の事実上の宣戦布告から、その日のうちに第1軍、第2軍がベルギー領内へ、第3軍がイラク領内への侵攻を開始した。緒戦の戦果はめざましいものであった。


第1軍を率いるアルフォンス・ジュアン将軍が考案した、歩兵と砲兵の援護のもとに軽戦車と自動車化歩兵が連携して敵領内の奥深くへと迅速に進撃する電撃戦術は、まさに守るべき主要都市が目前にあるベルギーのような国を相手にするにあたって見事な効果を発揮した。

もとよりたいした防備もなかった(そのためにおそらくファシスト勢力が動き出せば即座に踏みつぶされていたであろう)ベルギーは、開戦よりわずか20日ののちに首都ブリュッセルとアントワープの両都市を喪失して早々に降伏した。

どうでもいいけどLiegé(リージェ)じゃなくてLiège(リエージュ)じゃないんですかね……

委員会は第1軍、第2軍にねぎらいの言葉を送るとともに、その余勢を駆って一刻も早くオランダを制圧するよう厳命した。これは戦争が長引けばオランダの窮状に対する国際社会の非難の目がフランスに向かい、共同してファシストに対抗するどころか英国を代表とするブルジョワ民主主義勢力との全面戦争になりかねないことが予想されていたためである。


現に英国はこのフランスの軍事行動に対し、国際秩序を乱す行為であるとして厳重な外交的抗議を申し入れてきている。しかし、それがなんだというのだ。結局のところ、彼らはドイツの条約違反に対しても抗議以上のことはできなかったではないか。真にファシストと戦うのはわれわれだ。彼らではない。とはいえ、彼らのごとき偽善の帝国主義者にはせいぜい抗議以上の口実を作らせないように気をつけねばならない。せめてわれわれがファシストどもを倒すその日までは。


一方中東では、シャルル・ド・ゴール将軍率いる第3軍はやや補給に苦しみながらも順調にイラク領内へ侵攻し、38年2月をもって首都バグダッドに入城し、イラク政府を降伏せしめた。第3軍の次の相手はイランだが、かの国は技術的には遅れていても大国であり、またファシスト3国が義勇兵を送り込んでいるという情報も入ってきているため、第3軍の現戦力のみでは少々厳しい戦いとなるだろう。委員会は第3軍に引き続きゆるやかな進撃の命令を出しつつ、仏領シリアはベイルートの補給港を拡張し、オランダ戦線が片付きしだい援軍を送り込める体制を整える。


他方オランダ戦線は、委員会の厳命にもかかわらず、首都アムステルダムを前にして戦いは泥沼化していた。オランダ軍はライン川の対岸で防備を整え、寡兵をもってよく守った。ライン川を前にしての膠着状態は4月まで続き、戦死者は早くも10万人を数えた。しかし第2軍ジャン・ド・ラットル・ド・タッシニー将軍の機転により、第2軍の一部がライン川河口右岸のハーグに侵入する。第2軍が対岸の防衛をおびやかしたことで、オランダ軍は防衛線を動かさざるをえない状況に追い込まれる。ついには守備が手薄となったところを第1軍の軽戦車・自動車化部隊が急襲し、首都アムステルダムを陥落させた。


オランダ政府はついに屈服し、植民地の統治権をも含めた全権をフランスに委譲した。フランス軍の犠牲は委員会の想定以上に大きなものとなったが、今日よりベルギー・オランダ両国はフランス共和国の一員となり、フランスがその国防の責を担うこととなった。フランスは元両国の、新たなフランス共和国の市民をファシストの犠牲とすることを決して許さないだろう。これはそのための戦争であった。


両国から接収した工場は50ユニットにもおよぶ数であった。多くは民需工場だが、インフラの整備や2年より前から長く続く軍需工場の増設政策を大いに助けるものとなろう。また、長く不足気味であった小火器も両国の併合とともに5万にも及ぶ数が押収され、歩兵装備の充足問題は一挙に解決した。これにより、ファシストとの戦いに備えたさらなる兵力の動員が可能となった。

ファクションを作る予定はないのでゲーム的にはあまり意味がない(一刻も早く陸軍フォーカスを進めたほうがいい)
もはやファシストとの対決姿勢を公然と表明するようになったフランスは、オランダと講和条約を結び、ベルギー・オランダ両国を名目上のみならず実質上においてファシストおよび帝国主義者からの保護下に置くこととしたその日、後々まで語り継がれる有名な宣言を発した。


それは一般に「人類の連合についての委員会の声明」と題されるもので、形骸化した無力な国際連盟に代わり、フランスの主導のもとで世界人類が新たに団結して帝国主義者とファシストに対抗し、より強固で分かちがたいひとつの共和国として一致団結しようという第四共和政フランスの究極的な目標を表明したものだった。この壮大な野望、あるいは詩人のなすがごとき夢想。フランスの人々は、世界中の国を自由と平等の姉妹共和国に変えようとした大革命時代の精神に思いをはせる。共和国の、あるいは人類の未来はいまだフランスを、そして人類を見守る最高存在のみが知るところであった。

次章: 戦争へ、戦争へ

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