2016年12月24日土曜日

HoI4: フランス AAR 第14章 単一不可分の共和国



戦後処理は円滑に進んだ。この戦争で最大の戦果をあげたフランスの要求はただひとつ、人類連合の結成である。旧ファシスト領の大半がフランスの占領下にあったこともあり、フランスは人類連合の名のもとに、ヨーロッパ・中国・日本の大半を手中に収めた。かつて簒奪者ボナパルトが国民の軍隊の力を利用し、フランスにもたらした一時的な栄光をはるかに上回る戦果であった。もはやライン川の左も右もなく、ドイツとフランスは友愛で結ばれるひとつの共和国となったのだ。
この日をもって人類連合は理念の鎖を破り、国際組織として正式に発足した。自由・平等・友愛によって立つ単一にして不可分の共和国の誕生である。ソヴィエトとイギリスは共同してこれを行き過ぎた拡張主義だと批判する。やはり帝国主義者とスターリニストは自由と平等の敵なのだ。いつかは彼らに支配される人民をも友愛の精神で救わねばなるまい。


そしてその日はそう遠くはないだろう。ドイツや日本の都市部で工場の操業を妨害していたレジスタンスは戦争の終結とともに完全に鎮圧され、すべての工場が正常に再稼働した今のフランスの工業力は、ユニット数にして1000に迫る勢いであり、今や世界の工場と称された米国をも上回る数を誇っていた。


いまだ師団数・戦闘機数では諸大国の後塵を拝するも、これだけの工業力があれば、人類連合の兵士らは最新の兵器を潤沢に用いて動員兵力の続く限り最善を尽くして戦うことができるだろう。


フランスはさっそく最新型の中型戦車を増産する。また、これを改造し、対歩兵用と対戦車用の自走砲として、機甲師団の補助につけることとした。

そのへんの細長い国は講和条約で生まれたソ連の属国
コミンテルンは200個近い大量の師団を国境に配備し、今もフランスを脅かしている。フランスにはこれに対抗する戦力が――人類連合の兵員はいまだフランス人成人男性が大半であるため、人的損失を最小限度に抑えることも考慮に入れて――必要だった。


他方、極東ではふたたび戦火が立ちのぼる。43年9月3日、講和内容を不服とした米国が太平洋の安全保障を口実に、南樺太に首都を置く新生日本に宣戦を布告したのだ。この講和によってもたらされた国際平和を覆すがごとき行為にフランスはただちに抗議し、米国の手が及ぶ前に日本を「保護」すべく――特にフランス領日本の領域内に飛び地としてある新潟を米国の手に渡すことは安全保障上許されない――画策しはじめた。

だが、これに異議を申し立ててきた国がある。英国だ。英国は極東におけるこれ以上のフランスの勢力拡大を許さず、日本をフランスの侵略から保護する旨の声明を発表した。


米国の侵略行為を許しておきながら、フランスの自衛のための進駐を許さないとはどういうつもりか。委員会では議論が沸騰し、究極的には一歩も譲らず対英開戦も辞さずとの結論に至った。もとより帝国主義者らとの共闘は一時的なものであった。すべては自由と平等の世を築くため。人類連合の理念はいまだ完成していないのだから。


44年3月5日、フランスは日本領への進駐を宣言し、英国とその傀儡同盟との戦争状態に入った。

次章: アングルテールの戦い

0 件のコメント:

コメントを投稿